対談-TREND PARK Vol.5
トレンドマイクロのエグゼクティブと企業・官公庁のお客様、パートナーとの対談
株式会社リコー/我妻 一紀 氏
TREND PARK vol.5(2006年8月発行)掲載
業務の視点から本質を判断し、総合的なセキュリティ対策を着実に実行する
株式会社リコー(以下、リコー)は、お客様の視点に立ったオフィスソリューションの提供に定評があり、中でも盤石なサポート体制で中堅/中小企業(SMB)から強い信頼を得ています。その同社が、SMBに対するワンストップのITサービスに取り組んでいます。今回は、同社で取締役 専務執行役員販売事業本部長を務める我妻 一紀氏に、SMB市場と同社のセキュリティ戦略について聞きました。
セキュリティ対策でも、コストと効果のバランスが最も大切
大三川
お久しぶりです。この前に会ったのは確か……
我妻
新幹線の中でしたよね。妙なところで会うものです(笑)。今日はお元気そうで何より。対談となるとかしこまってしまいますが、いつも通りざっくばらんと行きましょう。
大三川
ありがとうございます。ではさっそくSMBのセキュリティニーズから話しましょうか。この市場では、専任の担当者が不在であることが最大の課題と言われています。現場を統括しておられる我妻さんは、やはり問題の根本はそこだと認識していらっしゃいますか。
我妻
SMBの人的リソースが限られていることは課題のひとつでしょう。そのためにわれわれは、「ITKeeper(アイティキーパー)」というワンストップの IT総合サービスを提供しています。リコーならではの安心感で、「導入から運用まで、システムのことならすべてお任せください」というもので、おかげさまで好評です。
大三川
ITKeeperでは、セキュリティ部分にトレンドマイクロ製品を採用していただいて、ありがとうございます。とりあえずその話は後に回すとして、先ほど課題のひとつとおっしゃいましたね。ということは、ほかにも重要な課題があるということでしょうか。
我妻
そのとおりです。言葉が強くなりますが、「世の中はセキュリティについて騒ぎすぎ」だと認識しています。企業のIT投資の中に占めるセキュリティ投資の割合は高まっています。確かに、対策は必要です。しかし、セキュリティだったら買っておこう、不安だから導入しようというのはおかしい。本当に必要なのは何かという議論が抜け落ちています。これは大企業にもあてはまるのですが、SMBにとってコストと手段、効果のバランスは最も切実な課題です。守るべき資産を明確にし、優先度を考え、セキュリティ強度やコスト、運用管理の手間などの最適なバランスを図らなければなりません。
高まるアウトソーシングへの期待
大三川
そうしたときに、SMBでは専任者がいない。社内のノウハウも限られている。だから、専門的なスキルのある外部の会社にアウトソーシングしたいというニーズが高まってきているようです。こうした課題を解決するのがITKeeperなのですね。
我妻
その通りです。情報漏えいについて言うと、データはもちろん、紙文書からの漏えいも深刻な問題です。われわれは複写機メーカーとして成長してきましたから、データだけでなく、出力した紙文書のドキュメントセキュリティまでをサポートし、トータルで提案できることが強みです。さらに長年のお付き合いがある SMBの業務を深く知っています。単なるツールとしてのセキュリティではなく、業務に合った形でトータルソリューションとして提供できるのです。
大三川
われわれは技術の会社ですから、お客様の業務に沿った提案となるとなかなか難しいところがあります。そのあたりのサポートをぜひよろしくお願いします。ITKeeperの技術サポートが顧客企業にメリットとなる面について、もう少し詳しく話していただけませんか?
我妻
全国均一、24時間365日、そしてマルチベンダーに対応した体制で、お客様のIT環境の運用管理をワンストップでサポートしていることです。そのセキュリティサービスの一つに、トレンドマイクロさんと一緒に提供するものが含まれています。
専門的な頭脳と最強のボディを組み合わせる
大三川
セキュリティと言いましても、われわれが提供できるのはごく一部だけです。情報を業務の流れの中に置いて、そのライフサイクルを考えて、使える部分で使っていただく。それがトレンドマイクロの基本的な考えです。もちろん、使える部分においては市場で最高の技術とソリューションを提供できるという自負はあります。
我妻
われわれには、“現場力”があります。現場を知っているので、お客様の課題を一緒になって解決したいという思いがあるのです。でも、ウイルス対策などの専門的なノウハウはありません。トレンドマイクロさんの「頭脳」とわれわれの「ボディ」を組み合わせて、本当にお客様のためになるソリューションを作り上げていくことが効果的です。
大三川
ありがとうございます。そのひとつの形が新サービス「マネージドウイルスバスター」として結実しましたね。
我妻
はい。このサービスでは、お客様先でリコーの技術者が導入作業を行い、運用はASPサービスとして常に最新のウイルス対策やスパイウェア対策を実施します。監視センターで常時監視しながら障害時に通知を行うほか、ヘルプデスクでの問い合わせ対応も受け付けています。また、万一の時はお客様先での障害復旧サービスにも対応します。お客様が運用業務を完全にアウトソースして、本来の業務に集中できることがアピールポイントです。
大三川
トレンドマイクロとしても、大きく期待しています。
我妻
これからは、SMBの枠内にとどまらず、大手企業にも積極的にソリューションメニューを強化していきます。運用業務をアウトソースしたいというニーズは、大手企業でもますます拡大していくでしょう。
大三川
リコーさんには現場力という強みがありますから、アウトソーシングの受け皿としてお客様から信頼していただけそうですね。
我妻
ありがとうございます。北は利尻島から、南は石垣島まで、お客様のいらっしゃるところには必ずわれわれのサポートスタッフがいます。また、監視センターをはじめ、先進のセンターサービスも提供しています。センターが常にお客様とつながり、何かあるときはすぐに現場に駆けつける。この安心感を土台にして、これからも多くのお客様の課題にこたえていきたいですね。
大三川
ぜひこれからも一緒に市場を啓発していきましょう。
我妻
もちろんです。とはいえ、うちはマルチベンダー対応ですよ(笑)。
大三川
われわれも、広くパートナー企業を募集していますから(笑)。
我妻
お互いのビジネスがありますから、それは仕方がないですよね。でも、トレンドマイクロさんも本社は日本。日本企業のために、特に困り事の多い日本のSMBのために、われわれがベストな協業関係を維持して、本当にお客様のことを考えていきたいですね。
大三川
もちろんです。がんばってやっていきましょう。屈強なボディを手に入れて心強いですし、リコーさんはわれわれにない頭脳を持っていらっしゃる。補完的な関係として、協業モデルの理想像を作り上げることができると信じています。
我妻
はい。われわれも同じように考えています。これからもいい関係を続けましょう。
大三川
では、そろそろ時間ですね。本日はありがとうございました。新幹線の中では味気ないので、次回はもうちょっとフランクな場所で会いましょう。
我妻 一紀(あづま・かずのり)
北海道出身。室蘭工業大学 工学部電気工学科卒業後、リコーに入社。北海道リコー社長、販売事業本部ソリューション計画センター所長などを経て2000年に執行役員就任。その後、リコーテクノシステムズの社長、会長を経験するなど、リコーのシステムソリューションを主導してきた。現在は、取締役 専務執行役員販売事業本部長として全国を忙しく飛び回っている。

