対談-TREND PARK Vol.6

トレンドマイクロのエグゼクティブと企業・官公庁のお客様、パートナーとの対談

ネットワンシステムズ株式会社/澤田 脩氏

TREND PARK vol.6(2006年11月発行)掲載

 

ネットワンシステムズ株式会社 代表取締役社長 澤田 脩 氏とトレンドマイクロ株式会社 上席執行役員 日本代表 大三川 彰彦

セキュリティは系統的にとらえ、管理プロセス全体で考えていく必要がある

システム運用における課題を抜本的に解決へ導く統合運用サービスの拠点「XOC(エキスパートオペレーションセンター)」を積極的に展開するネットワンシステムズ。
同社代表取締役社長 澤田 脩氏にトレンドマイクロとの協業について伺いました。

 

トレンドマイクロ株式会社 上席執行役員 日本代表 大三川 彰彦

「トレンドマイクロ エキスパートサービス」をメニューに加え、検疫を含むトータルなセキュリティサービスを提供

大三川

ネットワンシステムズが積極的に展開している「XOC(エキスパートオペーションセンター)」は、サーバやストレージから電話、携帯デバイスに至るまでを、1つのIPネットワークでセキュリティを含めて統合管理する、という明確なメッセージのもと、いままさに企業の顧客が必要とされているサービスを提供されていると思います。ネットワンシステムズがお持ちのネットワークに関する設計構築から運用サービスまでの豊富なノウハウに、当社のセキュリティのノウハウを融合してサービス展開していただいたことが、今回の協業の大きなポイントとなりました。

澤田

今日、企業から公共あるいは家庭に至るまで、あらゆるネットワークがIP化されていく中でセキュリティの重要性は叫ばれ続けてきました。ところが、セキュリティは系統立てて見られてきませんでした。今後はセキュリティを系統的に見て、ネットワークの設計から構築、運用に至る管理プロセス全体で考えていく必要があります。当社「XOC」においては、「NOC(ネットワークオペレーションセンター)」をはじめ、「SOC(セキュリティオペレーションセンター)」、「VOC(Voiceオペレーションセンター)」、「SSOC(サーバ/ストレージオペレーションセンター)」まで、ネットワークを経由した監視・管理サービスを提供します。今回のトレンドマイクロとの協業により「トレンドマイクロエキスパートサービス」を当社のメニューに加えたことによって、検疫を含めたトータルなセキュリティサービスを提供することができました。

大三川

電話を含め、あらゆるものがIP化されると、ネットワーク上にあるサーバやストレージは膨大な数になり、それらがネットワークで結ばれたさまざまな場所に配置されるようになります。これら装置に対して不正侵入やウイルス汚染が発生しているか否かの情報は、顧客の情報資産にとって非常に重要な問題になりますね。

澤田

まさに、そうしたセキュリティを含め、顧客の使用されている機器が適正に運用されているかどうかを監視し、運用管理全体をサービスとしてご提供するのが XOCです。当社が設計、構築するネットワークに、セキュリティのコンサルティング、構築、運用といった付加価値を乗せて提供していきたいと考えています。ネットワークにおけるセキュリティの重要性は、今まで以上に市場で認識されてくると確信しています。

ネットワンシステムズ株式会社 代表取締役社長 澤田 脩 氏

ネットワークセキュリティは、よりシステム的に全体を見て改善し続けることが重要

大三川

振り返りますと、MSブラストやコードレッドなどは、Windows OSの脆弱性を突いてネットワーク経由で瞬時に感染が拡大してしまいました。これらはネットワークセキュリティの重要性を印象付けた事件だったと思います。

澤田

よりグローバルにネットワークにつながっていく時代だからこそ、ますますネットワークセキュリティが重要になっています。最近では、ネットワークセキュリティを重視される顧客も増えています。

大三川

同感です。そうした中で、当社のバックボーンであるセキュリティ技術がシスコシステムズに認められ、同社のネットワーク製品に当社のノウハウが組み込まれるようになりました。最近のテクノロジーでは、マルウェアなどの振る舞いや、ネットワーク7層のうちの下位レイヤの動きの変化から推測する、といった開発がかなり進んできました。こうした技術を用いることで、われわれの協業もさらに発展できると期待しています。

澤田

セキュリティは従来、企業においてパッチ的に実施することが多かったと思いますが、今日ではリスクマネジメントの観点から、その位置づけが変わってきました。J-SOX法を含めた内部統制の確立やPCI DSSのような、セキュリティスタンダードへの準拠を考えると、セキュリティについてシステム全体を見ていく必要があります。とりわけ、セキュアネットワークの構築と運用は大きな課題となっています。

大三川

そうですね。それに加えて、先に述べたような手口は広範囲な感染を狙っていましたが、最近は金銭の詐取を目的とした悪意に満ちたスピア型の攻撃が増えています。ボットネットはPCをゾンビ化して自分の支配下におきます。このゾンビPCを使って悪意に満ちた攻撃を仕掛けるわけです。こうした攻撃のほとんどが IPネットワークを経由しています。狙い撃ちされた場合、ネットワークに何らかの変化が現れますので、そうした微妙な変化を検知する必要があります。今後、そうした変化を検知し、対策をアドバイスしてくれるサービスが求められるようになるでしょう。

澤田

そういう意味では、トレンドマイクロの技術と一体となったサービスが不可欠です。当社のネットワーク技術だけではカバーしきれない部分が出てきますからね。ネットワークをどうつくり、アプリケーションをどう動かしていくかを考えていくときに、セキュアネットワークの構築は大きな課題です。下手をすると社会的な情報ダウンが起こってしまう。われわれが協業するのはこうしたことを防ぐために大きな意味のあることだと言えます。

大三川

ほんのわずかなネットワーク上の問題が社会的な信用失墜につながってしまうことにもなりかねない。しかもセキュリティの問題は、一部の企業だけが取り組めば済む問題でもありません。社会全体で取り組む必要がありますね。

澤田 脩 氏と大三川 彰彦の握手

澤田

ネットワーク社会において考えておかなければならないのは、丸裸でもあるインターネットの世界を、どうやって丸裸ではない世界にしていくかでしょう。ネットワークにつながっている各々が全体として意識を合わせていかないと、いつも弱いところを集中攻撃されてしまう。

大三川

日本の多くの企業は中規模中小企業ですから、大企業のようにISMSなどのグローバルスタンダードに則ってきちんと運用管理できているわけではありません。「やらなければならない」とわかっているものの本業に専念する必要があり、セキュリティ技術を活用して運用管理できる人がいないという現実問題も抱えています。そういった観点からも、セキュリティエキスパートの代替を提供できる御社のXOCのようなサービスが、ますます求められるようになっていくと考えます。

澤田

そうですね。ただ、本来は、企業規模の大小には関係なく、ネットワークにつながっているということは社会インフラの一部であることを意識し、つねにアテンションを上げていく必要があると考えます。トレンドマイクロの持つ、ネットワーク上の脅威を発見し、駆除して、ネットワークをきれいにする技術を、私どものサービスに組み込んで提供できることの意味は非常に大きいと思います。

大三川

ネットワークを設計する段階でセキュリティが組み込まれ、適材適所のバイパスに仕掛けを組み込むことができますからね。ただどんな施策にも「100%確実」はあり得えません。当社では、どのポイントで「隔離」し、被害を喰い止めて、復旧のツールでいかに早く回復させるかを常に考えています。ユーザ企業においては既に、IDS(不正侵入検知システム)やIPS(不正侵入防護システム)といった装置が利用されていますが、将来は会社の特徴に合わせた専用のシグネチャを特別に作成して、それらの装置に送り込むといったこともできるようになるでしょう。ネットワンシステムズがお持ちのネットワーク機器や運用管理サービスと、当社の専門技術とがどんどん融合していきます。

澤田

当社の顧客の関心も高く、引き合いも数多く頂いています。やはり、ネットワークというものは、つねに新しい技術を採り入れ、企画・構築し運用して、それが安心安全なのかを見て、改善するといったPDCAを繰り返していかねばなりません。進化のスピードも早いですから、関心も高くなっています。今後の協業の展開としては、トレンドマイクロと当社のそれぞれの役割をきちんと踏まえた上で、一体となったサービスを実際にお客様の環境で運用していくフェーズに入っていきます。今年度内にはXOCの各センターが立ち上がりますので、具体的なサービスメニューへの落とし込みを進めたいと考えます。

大三川

ネットワンシステムズは、ネットワーク業界における確たる実績と数多くの優良顧客をお持ちです。また、当社もクライアントセキュリティやサーバセキュリティの分野で世界トップシェアを持っています。今後も引き続き、両社でネットワーク社会を守るサービスを提案していきましょう。どうぞよろしくお願いします。