医療法人野毛会 もとぶ野毛病院
病院内全PCの管理負荷を軽減すべく、ウイルス定義ファイルの更新を自動化し一元管理。管理者の夜勤、問い合わせ対応が大幅に軽減。
沖縄県国頭郡に位置する医療法人野毛会もとぶ野毛病院は、医療現場へのIT導入を積極的に行っており、独自開発によるシステムを構築している。セキュリティ対策については、これまで、病院内で使用しているPCには個人向けのセキュリティソフトを利用していた。しかし、セキュリティポリシー上、管理者権限を持つスタッフでなければ各PCのウイルス定義ファイルの更新を行うことができなかったため、Trend Micro ウイルスバスター ビジネスセキュリティを導入。定義ファイルの自動更新を実現し、管理者の作業時間を解消することができた。
導入背景
「院内PCのウイルス定義ファイルの更新にスタッフが掛かりきりの状態でした」
沖縄本島北部から東シナ海に突き出た本部半島に位置する本部町。この地に昭和63年に開設された医療法人野毛会もとぶ野毛病院(以下、もとぶ野毛病院)は、医療療養病棟(150床)を有する、本部町の地域医療の中核を担っている医療機関だ。昭和63年、院内にUNIXのEthernetによる院内LANを構築し、レセコンやオーダリングシステム、病棟システム、看護システムなど、医療現場へのITシステムの導入を積極的に推進してきた。こうした院内のITシステムは、特定のベンダーやシステムインテグレーターに依存することなく、独自開発を原則として構築されている。
「特定のベンダーに頼ったシステムを利用すると汎用性に欠けるとの理由から、可能な限り自分たちでシステムを構築していく、というのが当病院の理事長の方針です。また地域柄、ITアドバイザーのような方が存在しないため、どうしてもシステムの選定や構築は、すべて自分たちで行う必要があるのです」と、病院内の情報システムを担当する医療情報部の宮城辰己氏はITシステムを独自開発する理由を語る。
院内のIT化を先駆的に行ってきたもとぶ野毛病院だったが、メールやWebサイトを経由して侵入するウイルスやスパイウェアなどへのセキュリティ対策には、パッケージで購入した個人ユーザ向けのセキュリティソフトを利用していた。しかし、PCを利用するドクターやナースにはPCの管理者権限が与えられていないために、セキュリティソフトのウイルス定義ファイルの更新には、管理者権限を持つ医療情報部のスタッフが行う必要があった。
「定義ファイルの更新には、1人の職員が週1~2回ぐらいの頻度で職場を歩き回って、それぞれのPCに管理者権限でログインし、パターンファイルをダウンロードする、という手順で行っていました。たまに1日に何度も定義ファイルが更新されるような日があり、その時は完全に更新作業に掛かりきりの状態でした」と医療情報部の桝井亮氏。
こうした状態から脱却するために、もとぶ野毛病院は、院内PCのセキュリティ管理を一元化して、定義ファイルの更新を自動化する必要に迫られていた。
選定ポイント
「導入に踏み切った一番の理由はコスト面。機能的にも満足のいく内容でした」
他のITシステムと同様、セキュリティ対策製品の選定には、医療情報部が様々な製品情報を収集し、比較検討しながら行っていった。
「コスト面はもちろんのこと、たとえばクライアント側にポップアップメニューが表示されるか、されないのかといったかなり細かい機能の部分でも自分たちで調べて検討を行いました。セキュリティソフトは縁の下の力持ちという感じで、ユーザにはその存在すら気付かれないぐらいが当院にはちょうど良いと考えていました」(桝井氏)
そうした緻密な検討を行う中で浮上したのが「Trend Micro ウイルスバスター ビジネスセキュリティ(以下、ウイルスバスター ビジネスセキュリティ)」だった。
「調べてみると、機能面や管理面が当院の使い方に合っていると思ったため、『トレンドマイクロダイレクトストア』で見積もりを取り、検討しました。コスト面でも十分納得できるものでしたし、これ以上の製品が見付けられるかと言われれば自分たちも自信がないぐらい、機能的に満足のいく内容でした」(宮城氏)
導入効果
「夜勤の回数や問い合わせ対応の手間を解消することができました」
トレンドマイクロダイレクトストアでウイルスバスター ビジネスセキュリティを70ライセンス購入したもとぶ野毛病院の桝井氏は、導入の利点を以下のように感じている。
「ウイルス定義ファイルの更新のために、スタッフが院内を回る必要がなくなったので、時間が取られないことが嬉しいですね。以前は2週間に1度ぐらいの割合で、メンテナンスのためにスタッフが夜勤を行っていたのですが、ウイルスバスター ビジネスセキュリティを使うことで、その業務が軽減されました。また管理コンソールから院内のPCのセキュリティ状態を管理できるのも、大きなメリットです」
ウイルスバスター ビジネスセキュリティの導入で削減できたのは、定義ファイルの更新やメンテナンスに費やしていた時間だけではない。
「ドクターやナースは日常的なパソコン業務に慣れてはいますが、以前はウイルス対策ソフトのポップアップメニューが表示されただけで、不安を感じ医療情報部のスタッフを呼び出すユーザも少なくありませんでした。ウイルスバスター ビジネスセキュリティを導入してからは、ウイルス対策ソフトのことでユーザに呼び出されることはなくなっています。細かいことですが、こうした対応作業の手間も、解消することができたと思います」(宮城氏)
将来展望
「守秘義務と院内ポリシーを厳守すべく、セキュリティ対策に取り組みます」
ウイルスバスター ビジネスセキュリティの導入で、セキュリティ対策の一元管理を実現したもとぶ野毛病院。今後は、セキュリティポリシーを含めた情報セキュリティの強化をさらに目指していきたい考えだという。
「医療業界には守秘義務が課せられていますので、情報漏えいには刑事責任を問われることがあります。そのため、個人による故意の情報漏えいを抑止する仕組みは整っています。後は、病院としてどんなポリシーによってセキュリティを維持していくか、というところが課題です。私たちも、各PCのフロッピードライブを外したり、CD-R/Wの使用を制限したり、ハードによる制限も更に推し進めているところです」(宮城氏)
「一方でセキュリティ対策のために情報を制限すると、医療サービスの質が落ちるかもしれないという不安もあります。セキュリティと医療サービスの質を両立させるためには、セキュリティに対する理解をユーザに深めてもらうことが必要です。今後はそうした啓蒙活動にも注力してきたいと考えています」(桝井氏)
BIZ FOCUS
場所を問わずスピーディな導入が可能に
沖縄の中心部から遠く離れた場所に位置するもとぶ野毛病院は、近くに家電量販店もベンダーも存在しない。そこで、もとぶ野毛病院はウイルスバスター ビジネスセキュリティをオンライン上での手続きにより購入した。オンラインストアでは製品の見積もりや購入から、ライセンスの更新・追加購入までをすべて行うことができる。そのため“近くに購入する場所がない”といった物理的制約があるユーザはもちろん、製品の購入から導入までスピーディな展開を求めている企業にはメリットが大きいだろう。


