インタビュー

日本ならではの安全なクラウド環境をパートナーと開拓
セキュリティで国内市場のクラウド化を加速
大三川 彰彦 トレンドマイクロ株式会社 取締役 日本地域担当
クラウドコンピューティングは、コストや時間、ITサービスの質を向上させる面で注目を集め、企業の業務プロセスやデータ管理方法などを大きく変えつつあります。しかし同時に、これまでとは異なる新しいセキュリティリスクも生まれています。トレンドマイクロは、どのような戦略で国内企業のニーズにこたえようとしているのでしょうか。取締役 日本地域担当 大三川 彰彦に話を聞きました。
クラウドで変わる企業の情報インフラ、
新しいセキュリティの形態を
3月より「Securing Your Journey to the Cloud」にタグラインを刷新しましたが、こちらに込めたトレンドマイクロの決意はどのようなものなのでしょうか?
大三川2011年は当社にとりまして大きな転換期になると考えています。
1988年の創業以来、セキュリティ専業ベンダーとして、ウイルス対策をビジネスの中心にすえて事業を展開して参りましたが、いま全世界的にクラウド、仮想化といった新しいプラットフォームによるIT環境の劇的な変化が訪れています。企業の情報インフラにおいて、従来のウイルス対策だけがセキュリティの関心事ではなくなりつつあります。
クラウドの浸透が見込まれるこの数年間は、成長が求められる企業にとって、さらに競争力の高める情報インフラに移行していく時期になると予想されます。そのような環境下で、当社はお客様のベストパートナーとして、クラウドセキュリティでNo.1となることが目標です。企業のお客様が「クラウド」というキーワードを耳にした際にセキュリティとして当社の名前を想起いただける新しいブランドを目指します。
クラウドの世界ではセキュリティはどのように変わるのでしょうか。
大三川トレンドマイクロは、2つの側面からクラウドに取り組んできました。私たちのセキュリティソリューションをクラウドからお客様に提供することが1つ。もう1つは、クラウドを利用する企業や、企業のプライベートクラウドを預かるデータセンターに対するソリューション提供です。
前者は、クラウドから企業を守るセキュリティ基盤「Trend Micro Smart Protection Network(以下、SPN)」です。Webレピュテーション、E-mailレピュテーション、ファイルレピュテーションの3つの評価データベースを協調して運用し、従来のパターンファイルだけに依存した製品では不可能だった最新の脅威へのリアルタイムな対策を可能にしました。クラウドを利用することでサーバやPCのリソースを最小限に抑えることも大きなメリットです。
後者の代表例は「Trend Micro Deep Security(以下、Deep Security)」。物理サーバ、仮想サーバ、クラウド環境が混在するIT環境に一貫したセキュリティを実装することのできるサーバセキュリティ製品で、日本では2010年3月から販売開始した新しい製品です。クラウド、仮想化が進む海外はもちろん、日本でも着実に実績を挙げてきています。
クラウドで提供するセキュリティとクラウドを守るセキュリティには関連があるのでしょうか。
大三川当社で提供しているレピュテーションサービスは、今で言うクラウドサービス、SaaSの先駆けとして2005年よりスパムメール対策から実際にお客様への提供を開始しました。当社のデータセンター側で対策に必要な情報をリアルタイムに更新し、お客様の環境から必要に応じて参照する仕組みです。これは、クラウドを構築、運用する面でも先駆者としても実績があることを物語っています。蓄積したノウハウ、知識をこれからクラウド環境に移行する企業のお客様にも還元できるのではないかと考えています。

